あの流れ星に
たったひとつの
願いをかける

ここにあるのは優しい光




流れ星






KIRBY STORY  〜流れ星〜 覚醒




「12番、カービィ歌います♪」
宇宙戦艦アポカリプスは決戦前とは思えない賑やかさです。
「えっ!?カー君歌うのっ!?」
アド仰天です。皆それぞれ耳栓を用意してきました。
「じゃあ、『哀しき英雄カービィ』を歌うねー♪」

哀しき英雄カービィ  作詞:星影 (グルメレースの音楽で歌おうっ♪)

雨の中を駆け抜けろっ!
俺はカービィ 何でもたべる  雲を突き抜け 空へ飛ぶ影
進めカービィ 悪を滅ぼせ  希望の星へ導こう
地獄を切り裂き プププを守る
輝く力よカービィ 星の英雄カービィ
邪悪な力に 負けない心
誠の力で野望を 打ち砕け
でも貴方が見せる横顔に 寂しさを見るのは何故だろう
守るべき物を守る為だけに 走るのが辛いのでしょうか
でも貴方は守ると言ってくれる その身を削って傷ついて
笑いかけるその瞳に見える 強く運命の鐘を鳴らす人

愛の限り駆け抜けるっ!
俺はカービィ 哀しき天使  愛の形なら 見つけ出せない
何がカービィ 君を動かす  大事な何かを 守る為
闇夜を切り裂き 光を放つ
煌く心よカービィ 清き力よカービィ
奇跡があるなら 僕は信じる
君の瞳はいつでも 輝いて
そう貴方は信じる事をする 全てを信じて疑わず
澄み切ったその笑顔で僕を見て 「笑おうよ」って言うんだね
貴方はいつでも笑ってて 周りに光を振りまいて
その光の一欠けらでさえでも 全ての形中に持っている

「持っているぅぅーっ♪」
カービィの歌が終わりました。ちなみに上の歌詞をまともに歌おうとするとかなり辛いです。
でも試してみてくださいね♪
「あっ?終わった?」
拍手の嵐です。もちろんカービィにではなく良く耐えた自分達に向けてでしょう。
カービィは照れながらマイクをサーキブルに渡します。
「えっ?カービィさんこれ何ですか?」
「次はサー君の番だよぉ♪早く早く♪」
サーキブル、かなりびっくりします。同時に困ります。
「えっーっ…?私、歌うんですかー?」
周りがまた拍手につつまれます。サーキブル、逃げられません。
「じゃ…じゃあ歌える曲を……。」
皆、期待します。
「13番、サーキブル歌いますぅ…。」
ちなみに全員前にやっていたとしても13番にはいかない筈ですね。
「じゃ…じゃあ『マジンガーZ』歌います。」
皆一瞬凍ります。何故マジンガー。
「そっらに!そびえるぅ〜くっろがねのしろぉ〜♪」
サーキブル、熱唱です。

「マジンゴー♪マジンゴー♪まじんがぁぁぁぁ―――――っ!!!」
正に「ぜぇぇぇぇーっと!!!」と歌う瞬間にいきなり船内が揺れ、警報が鳴りました。
一人宴会に参加しなかったメタナイトが慌てて入ってきます。
「ポップスターの周りの防衛線に入った!各自、戦闘準備をしろっ!」
「えぇーっ!もうダスかメタナイト様!」
「つべこべ言うな!こんな時に宴会をやる馬鹿がいるかっ!」
そういうとメタナイト以外は全員馬鹿なのでしょうか。

アポカリプスの窓から肉眼でも確認できる大きさの黒いポップスターが見えます。
「目的ポイントまで推定時間10分!防衛線の攻撃を無視したなら多大な被害が予想されます!」
「敵の数は何体だ?」
「レーダー計算によると約13600!一機の艦にこれだけの数を使うとは!考えられません!」
そう言っている間にも艦は敵の攻撃を受けて振動しています。
「なんか怖い…大丈夫なの?墜落とかしない?」
不安そうなアドです。
「今はディフェンサー・フィールドを展開しているから致命傷は無いだろう。
 ただ時間が…あとせいぜいもって三分くらいか…。」
「マズイんじゃないのサ?」
「確かに…このままでいくと確実にこの艦は墜ちる。」
「えぇーっ!?」
メタナイトも言葉にして改めてこの危機を再認識していました。
このままじゃ決戦さえ出来ないのでは…という不安が頭に浮かんできます。
辺りは急に静かになってしまいました。

その時、一人口を開いた者がいました。
「私が、敵をひきつけます。その間に、皆さんは先に向かって下さい。」
言ったのはなんとサーキブルでした。
「何?どうやってひきつけるんだ!」
「私が、HR−E−0で出ます。性能は敵機に負けないと思いますよ。」
また沈黙が始まります。
「それは嫌だよ。」
今度の沈黙を破ったのはカービィでした。
「もしさ、サー君がやられちゃったら、僕、どうすればいいんだよ。」
カービィは眼に涙を溜めています。サーキブルは黙ったままです。
「メタナイト…。」
カービィの呼びかけは『メタナイトに最終決定を任せる。』ということです。
「………サーキブル…死ぬな。」
メタナイトの言葉にカービィの表情は一瞬歪みました。

サーキブルがハッチからHRで出ました。敵の黒い物体はそれに注目します。
「カービィさん達…、頑張って下さい。私もやれるだけやります。」
相手には聞こえませんがそう呟きました。アポカリプスは最高速度でポップスターへ流れます。

HRはビームソードを取り出しました。
「…………さて、邪魔者がいなくなったところで、始めようか。」
サーキブルの表情は全く変わっていました。
「さぁ、かかってくるんだろう?」
言葉と同時に目の前の黒い物体数十匹をいっきに切り裂きます。
黒い液体がHRのボディにかかります。
「ほら…もっといっきに来たらどうだい?僕を倒そうと思うんでしょ?」
サーキブルは大きく笑いながら防衛線を壊していきました。

サーキブルの中にある過去が形を示し始めたのはこの時からでした。



NEXT STORY・・・悪夢と悪魔



★用語解説★

哀しき英雄カービィ・・・謎の歌。星影が作詞。カービィに合わない歌。
             作詞しながら「これはやりすぎだろぅ」とか思っていた。凄い歌詞。
             グルメレースの音楽、カービィ3ではステージ面、
             64ではけんけんレース、スマブラのプププランドの音楽で歌える。
マジンガーZ・・・スーパーロボット。光子力エネルギーで動く巨大ロボ。昔のアニメ。
          アニキこと、水木さんが歌ったアニメソングはとても有名でしょ?
ディフェンサー・フィールド・・・アポカリプスに装備されているバリア。

★第十六幕のあとがきっ★
前半に、最後のギャグ部分。後半より、オールシリアスになりやす。
サーキブルの覚醒。何があったのでしょうか。サーキブルは……実は…。
おっと、それはまたのお楽しみです。それではそれでは…。





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