あの流れ星に
たったひとつの
願いをかける

ここにあるのは優しい光




流れ星






KIRBY STORY  〜流れ星〜 死闘の序曲




「いったぁ〜いっ!何するのぉメタナイトぉっ!」
「黙れ!貴様あのまま俺に抱きつくつもりだっただろがっ!」
「当たり前でしょ?外国とかの人とかも良く抱きついて再会を喜ぶじゃない。」
「…お前の感情はそれだけじゃないから嫌なんだ。」
カービィがクスッと笑いかけるのをメタナイトは青い顔で見ていました。
「メタナイトさん…?こちらの方々は?」
全く初対面のフォウスです。
「俺の…知り合いといったところかな。」
「あっ、ひっどぉーい。知り合いっていうかむしろそれ以上、友達以上だよぉー。」
またカービィは強烈なストレートを顔面に受けます。サーキブルも加わって殴ります。
「何だよっ!痛いなぁ。メタナイトはともかく、何でサー君が殴るのさっ!」
「カービィさんが悪いんですよっ!話をややこしくするからっ!」
カービィは真っ赤になって怒ります。
「貴様ぁ…ザコ敵の分際で!このカービィ様に逆らうのかっ!僕のバックには任天堂が
ついてるんだぞっ!マ○オさんとかサ○ス姉ちゃんとか連れて来てやってもいいんだよぉ!」
この際カービィはほっといて真面目な人で話をしようと思います。
「…この桃色球体がカービィだ。そいつと争っている鎧がサーキブル…。」
次に…といいかけてメタナイトはハッとします。
「……誰だ?お前ら…?」
そういえばパーティにアドとマルクが加わったのですが、その二人とはメタナイトでさえ
初対面でした。
「あの魔法使いみたいな人は…?メタナイトさんも分からないんですか?」
マルクを一瞬見て、その視線をメタナイトに注ぐフォウスです。
メタナイトが首を縦に振ると、もう一度マルクを見ようと向き直りました。
「あれ?」
マルクが消えています。どこに行ったのでしょう?
その時、フォウスは背後に恐ろしいものを発見しました。
「フフ……♪可愛い子猫ちゃん♪君の瞳の輝きはこの僕の限られた窓から見える星々の煌きを、
いくつ合わせてもかなわないのサ…。さぁ、僕と一緒にあの光へ飛んで行こう♪さぁ!」
フォウスは先程のメタナイトと同じくらい青い顔になります。
「あの…えっと…僕は男なんですけど…。」
マルクは笑います。笑ったまま向こうへ走っていきました。
その肩をポンと叩いたのは、紛れも無く恋に敗れたメイスでした。

メタナイトはまだ争っているカービィとサーキブルに向き直ります。
「ギャラクティック・ノヴァを呼び出したが…どうすればいい?」
カービィはメタナイトの声に過敏に反応します。
「えっ?メタナイト、もう呼び出したの?」
「さっきからずっと上に変な奴がいるぞ。あれだろ?ノヴァは。」
カービィは今初めてノヴァの存在に気付きました。
ノヴァも自分のセリフすらまだ無くて、さぞ辛かったことでしょう。
「じゃあ、僕がお願いしてくるよ。」
カービィは口に空気を含むと、ノヴァの方へ飛んでいきました。
「ノヴァさん、ノヴァさん。」
「>ワタシヲ呼び出したノは、貴方デスか―?」
カービィはこくんと頷きます。
「願いを叶えて貰いたいんだ。」
「>何でも一つだけ叶えてアゲマショウ―。」
その場にいたアドはもちろん、フォウス、メタナイツ、メタナイトでさえ
ノヴァの神秘性に、感動に似た気持ちを感じていました。
「じゃあ僕の願いを叶えてほしいのサ!」
いつか見た光景です。マルクがカービィを吹っ飛ばして割り込んできました。
「フォウスちゃんを女の子にして、僕の彼女に…。」
「朱雀っ!!!」
燃えさかる真紅の鳥がマルクを襲います。発信源はもちろんフォウスです。
「熱っ!熱いっテ!止めて欲しいのサ!嘘だからっ!嘘だからっ!」
朱雀がマルクを押さえつける隙にカービィが復活します。

「改めて…ノヴァさん、僕達は力が欲しいんです。」
「>POWER?何故貴方ハPOWERを求めるのデス―?」
カービィは勢い良く言います。
「大切な皆を助ける為です!」
ノヴァは一瞬眼を閉じ、もう一度それを開けながらカービィに言います。
「>良いでしょう…デスガ、忘れないで下サイ―。」
カービィは首を傾げます。
「>強大な力にヨッテ、誰かガ必ずその代償を背負ってイル事を―。
 >私ハ貴方達を信じタイ。貴方達ハきっとPOWERの意味を理解スルコトができるでしょう。」
その場にいた全員はその言葉に頷きました。
「>それでは…POWERを貴方たちに……。」
ノヴァがそこまで言った時、カービィが思い切ったように口をはさみました。
「待ってください!」

一方、黒い雲でも最終決戦に向け、準備をしていました。
「シルト、お前は第二層を指揮してくれ。ナイトメアウィザードと一緒にな。」
ウィザードはニヤリと笑います。
「シルトサン…。他の敵はイイデスガ、カービィは私に殺させてクダサイね。」
シルトはマントを羽織ながら答えます。水色のマントは美男子といえるシルトに似合っています。
「いいでしょう。ウィザードさん、カービィは任せましたよ。」
赤い眼は次にもう一人に命令を下します。
「…アルゴル、お前は最終防衛層の指揮をしてくれ。約束があるんだろう?」
アルゴルはあの時の大鎌を持ってきています。正にその姿は死神でした。
「ええ。古い約束が。」

死闘の序曲は今、静かにながれはじめた様です。



NEXT STORY・・・覚醒



★用語解説★

マ○オさん・・・スマブラの時に仲良くなった、おヒゲのナイスミドル。配管工の職業。
         任天堂の全てと言っても過言ではない。社長さんと並ぶほどの地位の持ち主。
サ○ス姉ちゃん・・・スマブラの時に可愛がってもらった、装甲姉さま。バウンティハンター。
           個人的にとても好き。かっこ良くて、綺麗なお姉さん。
           カービィは、カービィ3の時、メトロイドを倒して誉められた経験あり。
朱雀・・・四神光臨の四神。炎の翼の鳥を、右手で自在に操るフォウスの技。
待ってください!・・・何を言うのだ?カービィよ。そのうち、本編で分かります。
第二層・・・黒い雲は三層の雲の壁と、中枢部で成り立っている。
最終防衛層・・・即ち、第一層。

★第十五幕のあとがきっ★
シリアスモードへの変換期。ギャグが少なめになっていきます。
それぞれの思いとかを、もっと書きたいなぁ……。ちゃんと時間を作れば良かった。
次回より戦いは、始まる。





Back Top Next