あの流れ星に
たったひとつの
願いをかける

ここにあるのは優しい光




流れ星






KIRBY STORY  〜流れ星〜 常夜




この間メイスも言っていたように、ハーフムーンは常夜の星です。
夜だけが続き、昼がありません。周りに恒星が無いのが原因なのでしょう。
「ハーフムーンは最近急速に発展してきて、住宅街が増加しているそうだ。」
メタナイトの言葉はカービィから聞いたことをそのまま言っただけです。
「じゃあ危険は無さそうですね。」
アックスはほっと溜息をつきます。
「さあな。油断は禁物というものだ…。鬼が出るか蛇が出るか。一歩先は闇だと、
 そう思っていても損は無いだろう。」
剣士は皆、抜け目が無くなりますが、メタナイトの場合は元来の彼の性分の様です。
「しかし戦力がこれだけだと大部隊を相手にするのは辛いものがありますよね。」
「なに…、策と技があれば何も恐れるものは無い。お前らは良くやってくれているしな。」
メタナイトの言葉に、アックスは照れ隠しに下を向いて笑いました。
「あっ、そろそろ着きますね。おい!皆!着陸だぞっ。メタナイト様も用意をして下さい。」
「ああ…。」

音が無い星の中、アポカリプスの艦体をできるだけ静かに降ろしました。
別に音を立てても構わないのですが、静寂を守りたいとのメタナイトからの言葉でした。
(最近変わってきたな。)
アックスは心の中で最近のメタナイトの事を思い起こしていました。
昔、プププランドを征服しようとしたメタナイト。堕落に満ちたプププランドを変えると、
そう言っていたあの頃の姿は只戦闘の時に垣間見るくらいになっていました。
(――あの人は救われている。)
仲間という者を信じ始めたメタナイトの姿を、アックスは見つけたのでした。

「…早々と済ませて黒い雲へ行きたいな。面倒な事が起こらねばいいが…。」
暗い道をメタナイト一行が通ります。
「面胴な小手?」
「いや…ワドルディ…いくら星影が剣道部だとしてもそれは無いんじゃないか?」
「そっかなー。」
「星影の奴、自分が弱ぇクセに剣道なんかネタにするなよな…。」
漫才トーク健在。クライマックスもこの調子なら小説、どうなるんでしょうか。
小説なので分かりにくいですが、今ジャベリンは重い荷物をしょっています。
「…あの…やっぱりボクが悪いんですか…?」
「………何がだ?」
「えっと…それ。」
フォウスの人差し指の延長線上にはジャベリンの荷物。もとい、メイスです。
「………いや。こいつが悪いだけだ。」
ジャベリンがそう言うと、フォウスは気の毒そうに笑いながらメタナイトの傍へ駆け寄って
行きました。

「ずいぶん、歩きましたね。」
フォウスはメタナイトに話し掛けます。
「ああ。」
メタナイトは素っ気無い返事を返します。
「メタナイトさん、何でボクを連れて来たですか?」
フォウスはストレートに聞きました。不意打ちのストレートでした。
「……っ。馬鹿らしい話だ。」
「何がです?」
「お前を連れて来た理由だ。」
「教えてくれるんですか?」
「……言わん。」
フォウスはクスクスと笑い出しました。
「やっぱり。」

一行はやがて、泉の台座までやってきました。
「……カービィ達も全て終わっただろうからな。これが最後の連結だ。」
「ギャラクティック・ノヴァ…ですか?一歩間違えれば破滅を呼ぶ神ですね。」
「メタナイトさん、最後の橋を、架けて下さい。」
メタナイトは無言で台座に登ります。
サアアアアアッ……
光の筋が伸びていきます。刹那、それは黒い影に当たりました。
「ギャラクティック……ノヴァ………。」
メタナイト達がそれに感動していると、背後でとんでもない爆音がしました。
「敵かっ!?」
一斉に皆、振り向きます。そこには、
「あーぁ…サー君、墜落しちゃったよ。君の設計ダメだねー。」
「な…!何言ってるんですか!カービィさんが変に操縦するからですよっ!」
「どうでもいいけど…カー君、早くこれ、どうにかしてよぉー…。」
「HAHA♪結構楽しかったのサー♪」
メタナイトが口を開きます。
「カ…、カービィ?」
カービィは自分を呼ぶ声に気付き、こっちを見ました。
「メ…メタナイト…。メタナイトーっ♪」
いざ抱きつかんと迫ってくるカービィをメタナイトは一発殴りました。



NEXT STORY・・・死闘の序曲



★用語解説★

恒星・・・太陽の様に自分で光ってる星のこと。太陽の光が無いと地球も真っ暗だよ。
プププランド征服・・・戦艦ハルバードでプププランドの征服を計画、カービィに阻止される。
           スパデラ、『メタナイトの逆襲』のこと。
面胴な小手・・・剣道の打突部位。あと突きもある。「め〜ぇぇん!」
重い荷物・・・荷物こと、変態。変態こと、メイス。こないだのことがショックなのね。
ギャラクティック・ノヴァ・・・一つだけ願いを叶えてくれる。なんてロマンチックなのかしら。
               でも実際はなんか機械の固まりみたいなもの。

★第十四幕のあとがきっ★
星巡り終了!ギャラクティック・ノヴァが現れ、そしてカービィ達も合流!
ノヴァに力を貰って、いざポップスターへ!僕等の星を守る為!
そしてシリアスな展開へ。あーぁ、書けるかなぁー。…無理だなぁー…。





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