あの流れ星に
たったひとつの
願いをかける

ここにあるのは優しい光




流れ星






KIRBY STORY  〜流れ星〜 一つの恋の結末




機械生物はそのモノアイで生物の反応を確認します。
―侵入者発見・敵ノ破壊任務ヲ遂行スル―
ドガガガガガッ
両腕に機関銃の様な兵器をつけた青色のメカはアックスに向けて発砲してきます。
「チッ…!人じゃないからな。今回は手加減の必要もないな。」
側方倒立回転をしながら斧を投げます。メカの腹部に軽く刺さります。
「うおらぁあっ!」
アックスはメカの腹に刺さっていた斧を一気にパンチします。
バヂリッっと電気音が小さく鳴り、メカは頭から崩れる様に倒れました。
「大したことなかったな。フン。」
片腕にビーム製のブレードを光らせたメカにはトライデントが相手をします。
「かっ〜!あれ喰らったら鎧も溶けちまうんじゃねぇのか?ま、当たんねぇけどよ。」
黄色い閃光をかわし、トライデントは一段高い場所へ登りました。
「へっへぇ〜♪ここならとどかねぇだろぉ?ほら、今度はこっちの番だぜぇっ!」
トライデントはその名の通り、トライデントを勢いつけて投げます。
狙いどおり、メカの頭部部分に突き刺さります。
ぷしゅーっと空気が吹き出る様な音がした後、機械の星の静寂を破るような爆発音が
響き渡りました。

一方、ジャベリンも対戦中です。相手の武器は大型のビームキャノン。
連発してくる相手のレーザーは、空しく壁を崩すのみです。
「………ゼンマイ如き…!」
ジャベリンのロッドが火を噴きます。
「…………高性能の破壊力も考え物だろ…。」
一瞬の隙をついて、ロッドはレーザーキャノンの銃身に入り込みます。
行き場の無いエネルギーはメカへと逆流します。バチバチとスパーク音が聞こえてきます。
「………動けまい…。」
メカは降参でもしたかのように黒く光り、停止しました。
フォウスも必死で抵抗しています。
「うわっ!?あっぶなぁー…。やっぱり使わなきゃ勝てないかなぁ…。」
敵のメカのブレードが迫ります。
「よおしっ!今ならっ!荒ぶる龍の天戒を受けよ!四神光臨…」
「危ないダスゥッ!!今守るダスゥッ!」
「青龍っ!」
フォウスさん、何か青いエネルギーの濁流に巻き込まれたモノがあったようですが。
「あ…。メイスさん…?」
「…フフ…お怪我は無かったダスか?フォウスさん。」
「いや…メイスさんの方がお怪我じゃ…。」
「フフ…いいんですよ…。貴女の為ならこの身など…。ほら、二人の間に光が見えるじゃ
 ないですか…。さあ!いきましょう!二人の永遠の路をっ!」
敵を撲滅させたメタナイト一行は先へ進みました。メイスを置いて。

「さて…次は『ハーフムーン』という星らしいが…。」
メタナイトが一人減ったメタナイツに話し掛けていると、突然声が響きました。
「ハーフムーン…常夜の星…危険な夜の香りがするダスねぇ…。フォウスさん?」
「き…貴様!メイス!どこから乗ってきた!?」
「フフ…愛する人の為なら…私は何度でも蘇るのダスよぉっ!ハーッハッハッハ!」
なんかもう話的に狂ってきた感じですが、我慢して読んで下さい。
「愛する人?我々に私情は禁止なはずだが…。一体誰が好きなんだ?」
メタナイトが半ば呆れ顔で話しかけます。
「えっ…それは…ダス…。男ばかりの中に一人だけ女の子だから分かるはずダス…。」
皆一斉にフォウスに注目します。いきなり見られたフォウスは二、三歩後に下がりました。
「えっ…何で皆さんこっちを…?」
「はぁぁ…。そうなのね。さっきから様子がおかしいと思ってたけどよ。そういうことね。」
「『変』ってやつ?」
「いや…ワドルディ…『恋』だ。」
「これって見るぶんには間違えやすいけどよ、聞くだけなら絶対間違えないよな。」
「……………恋か…。」
「…ダス。」
驚きと、気持ちを沈める為にも皆、一生懸命に意味不明な会話を交わしています。
「………で?フォウスちゃんはどうなのよ?ねぇ?」
トライデントは率直に聞きました。
「………っと…。」
フォウスは相当困っている様子です。そりゃそうでしょうね。だって。
「フォウスちゃん……ダス…。」
「…えっと……。」
全員前に乗り出して、その答えに耳を傾けました。

「ボク……男なんですけど…。」

こうしてある戦士の初恋は風に散りました。



NEXT STORY・・・常夜



★用語解説★

側方倒立回転・・・こんなのできたって何になるんだい!大人になっても使うっていうのかい!
          へっ、馬鹿らしい!……どーせ、星影は運動音痴ですよーだ。(いじけ)
巻き込まれたモノ・・・なんか、一人の変態が飛び出してきたからね。
二人の間に光が・・・メイスの口説きテクニック。そういわれてもねぇ…。
           メイスはうん、なんか変態化してきたね。まずいね。これ。
メイスを置いて・・・変態は置いていきましょう。
ハーフムーン・・・常夜の星。常夜ってのはいつも夜のこと。夜は大人の時間。(何)
男ばかりの中に・・・女の子…。フォウスちゃんかっ!
ボク…・・・はい、オチ。フォウスは実は男の子です。これがやりたいが為に、
       ずっとフォウスの性別は明かさなかったです。メイス可哀想に。

★第十三幕のあとがきっ★
戦闘シーン+ラブコメの話。うん、違う?
シリアス展開が全く無し。次回はまあまあ、シリアスかもね。
カービィ、メタナイトの星巡りもそろそろ終わるぞ。でもそっからが長いぞ。





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