あの流れ星に
たったひとつの
願いをかける

ここにあるのは優しい光




流れ星






KIRBY STORY  〜流れ星〜 機械の星にて




「なんでメタナイト様はあの子を連れてきたんだろうな。」
宇宙戦艦アポカリプスのリビングルームではメタナイツ達が小声で話し合っています。
「やっぱりあんなとこにほっとけないからじゃねぇか?」
「………騎士道というものか…?」
「で…でも結構あの子…可愛いダスよね…♪」
メイスは両脇のアックスとジャベリンに同時に殴られました。
「阿呆が!貴様職務中に何を考えているか!」
「…ダス…。何も殴らなくても…ううっ…。」
「お…おい!泣くんじゃねぇよ!おい!ちょっ…!」
ついにメイスは泣き出してしまいました。
「あ〜あ…オレ知らないぜ…。」
「あれぇ?メイス泣いてるのぉ?なんでなんでぇー?」
メイスの失言の発端もやってきました。
「ど…どうしたんですか?皆さん?」
「あ。いやぁ、ちょっとなんかこいつ情緒不安定な人なんで…構わないで下さい。」
「え?そうなんですか?メイスさんですよね?」
「は…はいダス…。」
泣きはらした目でメイスは声をかけたその人を見ます。
「あんまり…泣いちゃダメですよ。笑ったほうがいいこといっぱいあります。
 泣いてばっかりいると幸せ逃げちゃいますよ。だから、笑っていきましょうよ♪ねっ?」
その時メイスの心に一本の矢が刺さりました。むずがゆいような気持ち。その人を見られない…。
メイスには初めての感情が、今生まれました。
「あっ…ありがとう…ダス…。」

その時、艦長室からメタナイトがやってきました。
「メタナイツ!これよりメックアイに入る。戦闘準備を整えておけ。
 アックスとトライデントは操縦室に行け。」
「は…はいっ!」
メタナイトは噂の人物を見ます。
「…オマエも降りる準備しておけ…。軽い戦闘くらいはできるだろう?
 今回は戦力が充実していた方が良いからな。」
「えっ…。は、はい。」
「……まだ聞いてなかったな…。」
「えっ?何がですか?」
「名前だ。オマエの名を聞いてなかった。」
メタナイツ達も噂の人の名前に聞き耳立ててます。特にメイスがですが。
「名前ですか…?フォウスって言います。名前だけは覚えてるんですよ。」
「…だけ覚えているだと?」
メタナイトは顔を歪めます。
「はい…記憶が無いんです。気が付いたら、あんな洞窟の星に居るし…ですし、
 全然…自分のコトも分からないし…記憶が見つからないんです。」
「そうか。」
メタナイトはマントを羽織ります。
「記憶が戻るといいな。」
「…はい…。」

「格納庫を見つけて機体を収納しろ…!見張りはいらん。その代わり急ぐぞ…!」
「はっ!」
メタナイト達は機体から降り立ちました。
「防衛システムに気をつけろ…。強行突破といくぞっ!」
狭い通路の両端から赤い一本の線が出ています。レーザーセンサーの様です。
「早速だがな…フォウス!前使った技を撃てっ!」
「任務了解!フォウス、いっきますよぉぉ!」
フォウスは背中にあるソードの様なものを取り出します。
「荒ぶる龍の天戒を受けよ!四神光臨!」
ソードは槍のような形へパーツを組替え変形します…と…、
「青龍っ!!!!」
ドガアアアアアァッ!
凄まじい攻撃に防衛システムはもちろん、その威力に通路自体が滅茶苦茶に破壊されています。
「すげえ…。」
メタナイツは開いた口が塞がりません。
「良くやった。よし、突入する……俺に続け!」
「えっ…あっ、はい!」
メタナイト達は暗い通路の奥へと進んでいきました。

機械仕掛けの扉の前で、メタナイト達は立ち止まります。
「フン…機械生物の生き残りがいるな…。四匹程度か…。」
「どっ…どうするんダスか?」
「一人一匹をノルマとするか…?」
メタナイツを見てにぃっとメタナイトは笑いかけます。
「危なかったら、空いてる奴。助けてやれ。」
そう言うと同時に扉を蹴り開けました。
「げげぇ!?本気ですかメタナイト様!?」
「…俺は冗談は言うが嘘はつかんよ。」
「なんか…それ卑怯じゃないですか…?」



NEXT STORY・・・一つの恋の結末



★用語解説★
あの子・・・前回の最後の方に出てきた、あの子。水色っぽい髪の毛と大きな瞳。
      特徴的な服装。なんかポンチョみたいな服。顔は可愛い。
メックアイ・・・機械の星。星影はこの星が好きです。大好きです。
        でも、ぞうさんの方がもっと好きです。(何言ってんだか)
フォウス・・・『あの子』の覧を見よ。フォウスには色々秘密がある。本編じゃ書かないけど。
レーザーセンサー・・・メックアイ、防衛システムの一つ。
           赤い光に触れると、レーザーが四方八方から飛んでくる。まぁ、怖い。
四神光臨・・・フォウスの特殊能力。自分の武器に中国古来の四神の意思を込め、
       攻撃として放つ。一発の威力は凄まじいが、発動に少々時間がかかる。
ソードは・・・フォウスの武器は変形機構をもっている。
       光臨させる四神によって武器タイプは異なる。例えば、『青龍』は槍タイプ。
機械生物・・・ロボットみたいなもの。プログラムメモリーで活動する。結構旧式。

★第十二幕のあとがきっ★
メイス、恋が芽生える。まぁステキだわ。恋をすることはステキなことよ。
それはともかく、オリジナルキャラがまた登場。フォウスさんです。
フォウスについては、何かと裏設定があります。でも、明かせない。そして朝を迎えた。





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