あの流れ星に
たったひとつの
願いをかける

ここにあるのは優しい光




流れ星






KIRBY STORY  〜流れ星〜 青龍




メタナイト達とシルトの魂はお互いに戦闘準備を整えます。
「ええっと…メタナイト君。アルゴルに負けたそうだね。」
シルトの魂は喋りはじめました。
「なんだぁ。君、大した事無いんだね。アルゴルに負けるなんて。あんな奴に?
 笑っちゃうよ。フフ…。」
シルトの魂は瞳でこちらを凝視しながら話します。
「………良く知ってるな…。」
「だってゼロ様から状況は全て聞いてるしね。ゼロ様から直々に。」
メタナイトは突然言い放ちます。
「…お前…いつかは知らんが…アルゴルとかいうのに負けたな。」
「なっ…!?」
シルトの魂の声は急に激しくなりました。
「貴様ぁ…!何故分かる…!あいつに…!この私がっ!?」
「…相当取り乱してる様だな…。よほどあの男に負けたのが悔しかったのか。」
「黙れっ!貴様は殺してやる!おとなしく死にたまえっ!」
同時に黒いビームを放ちます。しかしメタナイトは避ける様子も反撃する様子もありません。
ビームはメタナイトの直前で弾き返されました。

「そうはさせないダスよ…!」
「メタナイト様と我々のコンビに勝てるとでも思ってるのか?」
「てめぇなんかひとひねりで倒してやるぜ!」
「………愚かな…。」
「そばとさ、うどんってどっちが好き?」(ちなみに星影はそばです。)
「ワドルディ…下がっててくれないか…?」
「アックスはうどんが好きなのか。」
「いや…だから下がっててって…。」
メタナイツがメタナイトを中心に囲みます。
「やれるものならやってみるダスよ!」
「メタナイト様は俺達が必ず守るぜぇ!」
シルトの魂は何も言わず、今度は天井へ上っていきました。
「何をしてもムダだぞ!」
「…ムダかどうかは…やってみてから初めて分かるものなのだよっ…!」
シルトはちょうどメタナイトの頭上で止まります。
「この魂の能力は…状態変化…!」
魂の身体がぐにゃっと崩れたかと思うと、バケツ一杯程の液体になって落ちてきます。
「ちっ…!やはり上からくるかっ!メタナイツ、どけっ!」
メタナイトは両手で剣を地面に突き刺します。
「竜巻っ!!!」
竜巻によって散り散りに液体は飛び散りました。

「やったダス!倒したダスよっ!」
「…いや…。状態変化の能力ならば…まだ…。」
メタナイトがもう一度剣を構えなおした時です。突然、四方八方から黒く輝くビームが
メタナイト達を狙って発射されました。
「チッ…やはり気体に変化していたか…!」
「うわっ!?ちょ…!どくダスよ!アックス!」
「知るか!トライデントの方に行ってくれ!」
「なんでオレなんだよ!?」
洞窟内にシルトの笑い声がこだまします。
「フフ…どく必要はないよ…私が君達を捕らえるからねぇ。」
足に鋭い痛みがはしったかと思うと、足は一瞬にして固体状のシルトの魂によって自由を
縛られていました。ちなみにジャベリンは全身が包まれています。
「っ…!動かん…ダスよ…!?」
「チッ…!俺としたことが…不覚だ…!すまんな…メタナイツ…俺がもう少ししっかりして
 いれば…!畜生っ!」
「メタナイト様。私達のことなら…。そんな…。」

シルトの黒い霧は一つに集中し、元の固体状になります。
「私を恨むんじゃないよ…?だって君達が悪いんだから、ね。」
「……………。」
「所詮その程度でしょ…。ゼロ様に歯向かうなんて…無理だよ。君達じゃ…私さえ倒せ…」
その時、何かが奥の方で光りました。

「青龍っ!」

ドガアアアアァァァァッ!!!

青い濁流は正しく龍の如く、辺りの岩も巻き込んで破壊しました。
シルトは何も言う間もなく、龍の中に飲み込まれ、かき消されました。そして…

「あれ…?やっちゃったのかなぁ…?」
そこには一人の子供が立っていました。



NEXT STORY・・・機械の星にて



★用語解説★
アルゴルに負けた・・・シルトは以前、狂気のままにアルゴルに勝負を挑んで負けた過去があるの。
           アルゴルとシルト、元は仲が良かったみたい。
           シルトの性格がこんなに歪んでいるのは何故だろうか。本編で語るかも。
うどんとそば・・・歳をとるとそばが好きになるらしい。
         星影が年寄りってことか?ええ?そうなのか!?そうなんだろっ!
状態変化・・・今回のクレイ・マターの能力は『状態変化能力』だよ。
       状態変化ってのは物体が固体・液体・気体と変化すること。
       初歩的な理科のお話でした。
気体に変化・・・竜巻で散り散りに飛ばされた後、すぐに能力で気化(気体になるってこと)し、
        チャンスを狙っていたらしい。気体は強い!
        この能力では気体の状態を長く続けると元に戻れなくなるそうだ。
ジャベリンは全身・・・だってジャベリンは足がないじゃないか。
           どこを固めればいいんだい。全く。
青龍・・・中国辺りの神話か何かより。確か、神獣と呼ばれるやつ。四神の一匹。
     その名の通り、青い龍。かっこいいぜ。
     この小説内では技名として登場。詳しくは次回で。
一人の子供・・・また新キャラか。またそうなのか。もううんざりだ。もういいよやめてくれ。
        この子については次回とか、その次とかで詳しく語ろうか。

★第十一幕のあとがきっ★
バトルシーン也。シルトの謎も深まる。背景、未だ見えず。
やっぱり迫力が足りないような気がするな。うん。
ありがとう。がんばるよ、俺。





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