あの流れ星に
たったひとつの
願いをかける

ここにあるのは優しい光




流れ星






KIRBY STORY  〜流れ星〜 仮面の剣士




「命が惜しい者は…退け。さすれば奈落の洗礼だけは逃れることができるだろう。」
「お前達如きではこの御方には傷一つつける事できないぞ。」
「言うコトを聞いた方が利口ダスよ。」
「ええっと……ばぁーか。」
ここは灼熱の星、ホットビート。仮面の剣士達とガラの悪い盗賊達が対峙しています。
「ヘッ…こちとら20人の馬鹿な獲物を殺してるんだぜ…?お前等にかなうか?ええ?」
「……そうか。退かないか。アックス!メイス!」
「ハッ!」 「ダス!」
「ヘッ!間抜け面がっ!」
盗賊達は一気に武器をとり、仮面の剣士達に襲い掛かります。
『アックス』『メイス』と呼ばれた二人の戦士も武器を取り出しました。
「うひゃあぁ。ねぇ、メタナイトさん。二人で大丈夫なの?」
「案ずるな…ワドルディ。盗賊達は見た所、大した事なさそうだ。」
二人が話している時には既に、数人の盗賊が地に伏していました。

「あらかた…片付いたダスね…。」
「ああ……。」
たった二人で二十人を超える盗賊を相手にして、傷を負いながらも勝利しています。
「化物…。化物だ…。こいつらは…。や…野郎共!撤退するぜ…!」
お頭が撤退の合図を出すと待っていたかのように残っていた盗賊達は一目散に逃げ出しました。
「ご苦労だったな。アックス、メイス。」
「ええ。メタナイト様から頂いた武器が役立ちましたよ。」
「凄い破壊力ダスな…。」
「特注品だからな。大地の力を借りた武器らしい。」
メタナイト達が武器の手入れをしていると、新たにメタナイトの仲間らしき二人が遠くから
手を振りながら駆け寄ってきました。
「メタナイト様!あちらの方に泉を発見しましたぜ!」
「………………どうぞこちらに…。」
「ふむ…。ご苦労…。トライデント、ジャベリン!お前達もアポカリプスで待機していろ。
 泉なら俺一人で行ってくる。ゆっくり休んでいろ。」
「はい!」
「………了解…。」

「いやぁ…メタナイト様は流石だよなぁ…。」
アポカリプスと呼ばれる宇宙船のメインルームでメタナイツ達は語り合っています。
「いきなり何ダスか?トライデント。」
「いやぁ…。だって泉まで一人で行くっていうんだぜ。こんな危険な星をさ。
 きっと部下が疲れてるだろうって考えてくれてこう言ってくれてると思うんだよ。
 俺にはできねぇなあってさ。」
「そうだな…。メタナイト様は何より我々を大事にして下さってる。尊敬するな。
 な?ワドルディ。お前もそう思うだろ?」
「うーん。アックス、尊敬って何?」
「ん…。敬うってコトだよ。」
「敬うって何?」
「…へりくだって礼をつくすってコトだ…。」
「へりくだるって何?」
「…もう…トライデントにでも聞けよ…。」
「トライデントって何?」
「オイ…。」
何やら漫才らしき事をしていると、ドアを開けてメタナイトが帰ってきました。
噂をすれば…って感じでしょうか。
「アックス、船を発進させろ。出るぞ。」
「はっ…!只今!」

十分も経たない内に、戦艦が宇宙を高スピードで飛び去っていきました。
「次は…ケビオス…洞窟の星か…。下らんな…。」
アポカリプスは魔境と名高いケビオスの洞窟の真ん前に離陸しました。
「…降りるぞ…。武器を持て。」
何万年という歴史の動きの中、この場所だけが閉ざされた、歴史から外れた場所の様な感じです。
「ひえぇぇ…本当に行くんダスかぁ…?」
「しょーがないだろがメイス。この奥に星の泉があんだからよぉ。」
「………それにしても…妙だな……。」
「ん…?どうしたジャベリン。何が妙なんだ?」
「……いくら太古から変わらぬ場所とは言っても…生物が少なすぎる……。」
「そうだ…。良く気が付いたな。ジャベリン。俺もカービィに聞かされた分には、生物がいない
 星ではないようだ…。つまり…分かるか?」
トライデントが叫びます。
「えっ!?じゃあ俺達の前に誰かがここに来たということですか!?」
「そうだ…誰かは知らんがな…。敵か…味方かも分からん。しかし…俺には味方であるとは…
 どうしても思えんがな。」

「ほう…なかなか勘が良いじゃないか…。」
歩いていた天井から黒い物体がビチャリと垂れてきます。
「…!追手がいたか…!」
「そうだな…君達に会うのは初めてだったな。カービィ君達には何回か会ったんだが。
 私の名前はシルト。この黒い物体は私の粘土人形だ。」
「粘土だと!?」
「わーい粘土ー♪」
「何喜んでるワドルディ…。」
「さて…君達も油断ならないからね…早め早めが大切だね。じゃ、闘おうか?」
「フン…そうだな…。早めにお前を片付けておかなきゃな。あの男との決着を早める為にもな。」



NEXT STORY・・・青龍



★用語解説★

アックス・・・メタナイトの部下、メタナイツの一人。メタナイツでは一番まともな人。
       メタナイトに忠誠を誓っている。ワドルディや、メイスと仲が良い。
メイス・・・メタナイツの一人。ダスが語尾に付けばまず、この人のセリフ。
       気が弱く、内気。でもメタナイツ中、一番変な性格。彼女募集中。
ワドルディ・・・メタナイトの部下。メタナイツでは無いかも。
         子供っぽく、いや、むしろ子供そのもの。世の中のこと何にも知らない。
         ま…まさかこいつ…おぼっちゃんか!
トライデント・・・メタナイツの一人。話してるとうるさい。ええい、うるさいわ!
          自分の自慢話をするのが好き。ジャベリンと結構仲が良い。
ジャベリン・・・メタナイツの一人。無口…では無いが、口数は少ない。少なすぎ。
         真面目な人だが、人付き合いが悪いので、勘違いされやすい。
こんな危険な星・・・現在メタナイト一行は、灼熱の星ホットビートにいる。
           ホント熱いわ。焼ける。助けてくれぇぇぇーっ!
ケビオス・・・洞窟の星。いや迷うわ。敵がいるわ。もう嫌や。こんなとこ。
シルトの魂(第三陣)・・・今回の能力は次回へ持ち越し。

★第十幕のあとがきっ★
流れ星十話達成記念!…は何もないので、メタナイト編に移りました。
メンバーが変わって申し訳ありません。せっかくだから新メンバーを覚えてくださいな。
気が付けば、あとがきじゃねぇ。





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