あの流れ星に
たったひとつの
願いをかける

ここにあるのは優しい光




流れ星






KIRBY STORY  〜流れ星〜 新しい仲間は…




「うひゃあああああっ!?皆、今までありがとおぉ!」
別れの言葉を発するカービィですが、次の瞬間、信じられない光景を目の当たりにします。

「バリア・フィールド!」
カービィ達を囲んだオレンジ色のバリアにビームは全て吸収されます。
「突然…攻撃するなんてねェ…。気にいらないネェ。殺しちゃうヨ?」
「マルクッ!?何したの?えっ!?これどーなってんの!?」
マルクはカービィの問いには答えずに呪文の詠唱を始めます。
「何だっ…!貴様は…データが無いぞ!」
「五月蝿いなァ…。しゃらっぷだよ。しゃらっぷ。深いコト考えナイ。」
「ふ…ふざけやがって!」
魂の大群は一気にマルクへ襲い掛かります。マルクの姿は一瞬黒い影で見えなくなります。
「マーキュリー・ビースト!!!」
魂は吹っ飛ばされて、またマルクの姿が見えます。マルクの周りに水でできた獅子が三匹、
獲物を睨み付けています。
「ハ〜イ♪お食事の時間ですヨ。残さず食べなサイ♪」
「グアアアアゥゥ!!!」
何匹か魂は獅子から逃げ遅れます。獅子が魂を喰らっている間、またマルクは呪文の詠唱を
始めました。
「とりあえず…どーぞ。マーズ・フレア!!!」
マルクの前方にマルクの三倍はある火球が現れます。それはみるみる間に小さくなり、
ついに手のひらサイズになりました。
「バカな奴め…。火球魔法など攻撃範囲が狭いもの等、団体相手に通用するものか…!」
「じゃあライオンちゃん、ちょっとゴメンねぇ〜。」
マルクは三匹の水獅子に火球を放ちました。
「なっ!?貴様何をするのだっ!?」
水獅子の青かった体はみるみるうちに赤く染まっていきます。
「ちょっとしたシカケなんだよネ♪ボクのライオンちゃんは体温によって戦闘能力を変える
 能力を持ってるのサ。体温上昇は攻撃力が格段にアップするの。体温低下は防御力が。
 つまり今のライオンちゃんは狂戦士なのサ♪」
 獅子は前足の爪で空を斬ります。すると、前方の魂達は半分に割れ、次々と消えていきます。
「ひえぇぇぇ…。この人カー君より強いかも…。」
「なんだよアドちゃん!強いのはライオンだよ!らいおんはーとだよぉ!」
カービィが少しレトロなネタを発している時には、魂は元の三分の一くらいに減っていました。

「ほらほら、降参した方がイイんじゃな〜い?」
「馬鹿な!降参等するものかっ!」
「じゃあ……消えな。」
ドガアアアッ!
マルクの両脇から巨大な羽が生え、マルクは上空へ飛び、群集に狙いを定めました。
「なっ……貴様、化け物かっ!?」
「アンタも同じ様なもんじゃ〜ん?あっ、カービィ君達どいてたほうがいいのサ♪
 早く逃げないとバラバラになっちゃうヨ。」
「えっ…バラバ…。」
マルクに光が集まります。マルクは口を大きく開けました。
「波動砲―!!!!!」
バシュウウッ!!!!
「ぐうっ…!貴様ぁぁ!」
巨大な光の柱は魂を飲み込み、大きな穴を空けて消えました。

「はぁい。いっちょあがりっ。カービィ君達だいじょーぶー?」
「大丈夫って…オイ…。」
逃げ送れたカービィ以外は皆無傷です。
「大事に至らなくて良かった良かったなのサ。」
「マルク!いや、ボクはどーなるのよ!」
「HAHAHA!気にすること無いのサ。」
「いや、気にするから…。」

マルクとのいざこざも一件落着し、一同は船内に乗り込みました。
「あぁ…疲れたぁ…。なんかマルクいると邪魔だよね。」
カービィはマルクの姿が窓から見えなくなった瞬間、罵り始めます。
「うぅん。ちょっと…変わった人だったね。カー君の友達なんでしょ?」
「ん…。いや…友達じゃなくてね…。」
「友達以上なのサ♪」
カービィは真っ青になります。ビデオのコマ送りの様に振り返ります。
「Hi♪『マルクはいつも貴方の傍に…』なのサ。」
カービィの悲鳴が船内から響きつづけていました。



NEXT STORY・・・仮面の剣士



★用語解説★

バリア・フィールド・・・オレンジ色のバリアで周囲を囲む。物理攻撃以外は吸収してしまう。
             比較的、簡単な魔法。でも後々まで使える、便利な魔法。
マーキュリー・ビースト・・・太陽魔術の一つ、水の体をもった獅子を三匹召喚。
               体温(水温)で能力が変わる、ちょっとしたシカケ。
マーズ・フレア・・・太陽魔術の一つ、火球を生み出し、発射!
           火球魔法は全般的に効果範囲が狭く、団体相手には適さない。
らいおんはーと・・・きみをまもぉるたぁめ、そのためにうぅまれてぇきたんだぁぁー。
巨大な羽・・・マルク戦闘形態。飛ぶわ、消えるわ、速いわ。やけに強くなりますわ。
波動砲・・・マルクの厄介な攻撃。ガード無効で、当たると痛い。
       攻撃力は見た感じ、すごそう。いい技。

★第九幕のあとがきっ★
この話でしばらく、カービィの方の話は終了。次回よりメタナイト達の話に入ります。
メタナイトさん達はこっちよりは幾分かシリアスになる…かなぁ?





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