世界は、終わってしまった。
 夢じゃない。
 本当に、終わってしまった。



 滅び去った世界に、
 死んでしまった人々に向かって、
 私は許しを乞う。

 ああ……ごめんなさい
 私を許して下さい
 世界を救えなかった私を、
 貴方を守れなかった私を どうか 許して



 ……私は考えた……生き残ってしまった私にできる 最後の術(すべ)を。
 そして、私は思い至った……彼らが最後に残した夢を、私は代わりに叶えようと。
 私にできる 唯一の贖罪……



 私は 貴方の願いを 叶えます。






 T W I N K L E S T A R !



 第0話 ゼロの涙






「……お父様…。」
 純白の髪の毛が、闇の中で揺れていました。
 そこには、その少年一人きりしか、いませんでした。
 少年は、悲しんでいました。身を裂くような悲しみを感じていました。何故こんなにも悲しいのか、切ないのか、その理由はうまく思い出せなかったのですが、とにかく少年は……孤独という、深い闇のなかにいました。
 ぽつりと、もう一度……その言葉を、呟きます。
「……どこにおられるのですか……?
…お父様………。」
 ぽつり、…と。
 その血色の瞳から、一粒の涙がこぼれました。
 涙は闇の中で、二十面体の結晶となり、キラキラと光を放ちます。その白と赤の美しい光は、少年を照らしました。少年の長い髪が、ふわりと、風に揺られます。



 キィィィ…ン



 ――お前の名前は、ミラクルマター。
 ――さあ……僕を見て……?
 ――僕が、君を創った……。
 ――……僕の名前は、ゼロア……。

 ――ゼロ、ア……様…。







「どうして、貴方は間違ってしまったの?」
 その答えを得ることはできない。
「どうして、私は間違ってしまったの?」
 その答えを見つけることはできない。


「…………。」
 沈黙だけが訪れた。
 悲しかった。寂しかった。虚しかった。切なかった。苦しかった。泣きたかった。孤独だった。
 だけど、私には……役目がある。私は、まだ、やらなければならない……この世界のために。
 ……貴方の、ために。



「……貴方は、私を愛してくれますか?」
 答えは得られなくとも、
「……それでも、私は貴方を愛し続けるでしょう。」
 私の想いは変わらない。



 ……ああ、
 空だけが果てしない……――