第1話 過去のはじまり



 頭がぼーっとして、何も考えられなかった。

「ヘイ、ヘイ、ヘーイ!!お月さんとおてんとさんを仲直りさせたいんだろ?」

 ボクの口は勝手に動き、考えもしていないことを喋り、身体は、その言葉にふさわしい動作をしていた。
 その言葉と動作の裏にある、邪悪な影。
 ボクの意志はその影の中に閉じこめられていて、出られない。



 真っ暗な世界。
 また、1人だった。
 ………あの時は、いつも1人だった。

 ボクの中の記憶が、蘇っていく。
 …いや、呼び覚まされているのかな…?

 ああ、そうだ。

 あの時は、いつも一人だった。