第2話 氷の国



 ボクと母さんは、アイスバーグに住んでいた。
 2人暮らしだった。
 母さんは、名をリノアといい、僕は母さんが大好きだった。

 ……父親のことはよく知らない。
 ボクが小さい頃に死んだらしい。

 母さんがよく聞かせてくれた。

「マルク、父さんはもういないけど、全然寂しくなんかないのよ。
父さんの分も、母さんがずっとそばにいてあげるから。」

 そして、言い終わった後、かならずこの唄を歌うのだ。

 『銀河にねがいを』という曲だった。



 この銀河の中にある たった一つの
 あなたの命
 どんなに他を探しても
 どんなに過去に戻っても
 あなたは
 あなただけ
 銀河にねがいを 託したい
 銀河にねがいを ゆだねたい
 淡い光に 身を添えて
 永久の夢を 見ていたい
 この銀河というゆりかごで
 すべての命が 生きている
 銀河にねがいを 託したい
 銀河にねがいを ゆだねたい
 淡い光に 身を添えて
 永久の夢を 見ていたい
 私が 私であるために
 あなたが あなたであるために
 永久の夢を 見ていたい



 どこか、懐かしい感じのする唄だった。
 ポップスターの唄ではない。
 他の星の唄らしい。

 ………幸せだった。

 今、この時を歩んでいることが、

 何よりも………幸せだった。

 …母さん 母さん

 会いたい

 また 会いたい………………………………



「あれ?マルク、どうしたの?」
 今いるところは、水の惑星アクアリス。マルクと共に、砂地を抜け、海に入ろうとしていた。この海の中に、ノヴァのパワーの反応があるのだ。
 カービィ達は、月と太陽を仲直りさせるため、願いを叶えたくれる、大彗星ノヴァのパワーを集めていた。
「顔が真っ青だよ。それとも海、苦手?」
「……いや、そんなことないのサ。さ、早く行こう☆」
(…変なの)
 ダーク・リムロは、心の中で思いました。
(ちっ…まだ完全に支配できないか。さすがに、星のせん……)
 ザッバーーン
 ダーク・リムロの思考は、カービィの海に飛び込む音にかき消された。
「早くぅ。置いてっちゃうよぉ。」
「あっあっ、待ってなのサ〜!!」
 マルクも、慌てて海に飛び飛んだ。



 また 会いたい………………………………